Claude Code に一度はやってもらえたのに、2回目から返ってくるものがズレる——そこで止まっていませんか。
同じ作業でも、頼み方で結果は変わります。同じメモを2つの言い方で頼んだ画面をそのまま見せて、変えるとよかった3つを書きます。よく言われる「お手本を見せる」「あとで直す」は、それだけでは足りませんでした。書いたのは、コードを書かないまま2つのブログで100記事をAIと書いたクロパン🐼です。
① 1回はできたのに、2回目からうまくいかない
【3行まとめ】
・同じ作業でも、頼み方を変えると返ってくるものが変わります
・雑に頼むと、どんな形にするかを決めるのはAIのほうになります
・変えるのは3つだけ。ただし「お手本を見せる」「あとで直す」は、それだけだと足りませんでした
①-1 頼めるようになったのに、返ってくるものがズレる
最初の1回さえ通れば、あとは同じように頼むだけ——のはずなのに、実際にはこうなります。
・頼んだことはやってくれたけれど、頼んでいないところまで変わっている
・言いたいことは伝わっているのに、返ってきた形がそのままでは使えない
・「そうじゃなくて」と言い直しているうちに、自分でやったほうが早い気がしてくる
ぼくもここでずいぶん足踏みしました。しかも厄介なことに、AIは毎回ちゃんと返事をしてくれます。エラーも出ませんし、「できました」と言ってくれる。だから、どこがまずかったのかが分かりにくいんですね🐼
まだ一度も何かをやらせたことがない方は、先にこちらから試してみてください。消えても困らないファイルを1つ使うので、失敗しても何も減りません。
①-2 うまくいかない原因は、たいてい「決めていないこと」にある
先に結論を書きます。返ってくるものがズレるとき、原因はAIの性能ではありません。こちらが決めていないことを、AIが代わりに決めているだけです。
「読みやすくして」と頼めば、AIは読みやすくしてくれます。ただし、その「読みやすい」の中身を決めたのはAIのほうです。何行にするか、どんな並びにするか、言葉づかいを直すかどうか——こちらが何も言わなければ、全部あちらが決めます。
そして決めた結果は、たいてい自分が思っていたものと少しずれます。ずれた理由が「決めていなかったから」なので、AIを責めても直りません。
この記事では、実際に同じメモを2つの言い方で頼んでみた画面をそのままお見せします。そのうえで、変えるとよかった3つを書きます。
このセクションのまとめ
・1回できたあとに詰まるのは、頼み方が原因のことが多いです
・こちらが決めなかったことは、AIが代わりに決めます
・扱うのは「目の前の1回」。大きな仕事を別の会話に渡す話は別の記事にあります
② 同じ作業を、2つの言い方で頼んでみた
ここが、この記事でいちばん見ていただきたいところです。
用意したのは、行ってみたいお店を思いつくまま並べただけのメモです。お店の名前も内容も、この記事のために作った架空のものです。

10店ぶんが、ひとつながりの文章になっています。これを2つの言い方で頼んで、返ってきたものを比べました。
②-1 「読みやすくしといて」で頼んだとき
まず、いちばんよくある頼み方から。そのまま貼れます。
このメモ、読みやすくしといて
返ってきたのがこちらです。

きちんと読みやすくなりました。AIはこう説明してくれています。
・ジャンル別に3グループ化:食堂・ごはん(6軒)/カフェ・喫茶(3軒)/パン屋(1軒)
・表形式に変換:「店名|場所|メモ」の3列にして、営業時間や特徴がひと目で分かるようにしました
ここで、ちょっと立ち止まってみてください。ジャンルで3つに分けることも、表にすることも、列を3つにすることも、ぼくは一言も頼んでいません。
「読みやすい」の中身を、全部AIが決めました。
②-2 頼んでいないのに、言葉まで変わっていた
もうひとつ、あとから気づいたことがあります。
元のメモ → 返ってきたもの
・やすいらしい → 安いらしい
・あいてる → 開いている
・夜おそくまで → 夜遅くまで営業
・昼だけ営業 行列 → 昼だけ営業・行列あり
ひらがなが漢字になり、言い切りだった言葉に「営業」が足されています。読みやすくするうえでは自然な直しです。ただ、このときのAIの報告にはこう書かれていました。
嘘ではありません。お店は1軒も減っていませんでした。でも言葉を直したことは、報告に書かれていませんでした。
もしこれが自分のメモではなく、人に見せる文章だったら。あるいは、決まった言い回しを使わないといけない書類だったら。気づかないまま進んでいたと思います🐼

「できました」の中身を読むクセがつくと、こういう小さな差分に気づけるようになります。ぼくは何度か痛い目にあってから、やっと読むようになりました。
②-3 3つを足して頼んだとき
次に、同じメモに対して、決めていなかったことを足して頼みました。足したのは3つだけです。そのまま貼れます。
このメモを「店名・エリア・ひとこと」の3列の表にしてください。1行1店で、ほかの行は変えないでください。
返ってきたのがこちらです。

同じメモ、同じAI、違うのは頼み方だけです。返ってきたものはこう変わりました。
・3つに分かれていた表が、1つの表になった
・お店の並びが、元のメモの順番に戻った
・書き換えられていた言葉も、元の表記に戻った
AI自身の説明にも、こうあります。
・「店名・エリア・ひとこと」の3列の表1つにまとめ、1行1店で全10店を元のメモの順番のまま並べています
・タイトルはそのまま、前回私が追加したジャンル分け(食堂/カフェ/パン屋の見出し)は外しました
・文言も元メモの表記(「やすいらしい」「あいてる」など)に戻してあります
「前回私が追加した」と書かれているところが、この記事のいちばんの見どころだと思っています。足したのはAIで、外すように言ったのはこちらです。1回目でこちらが何も決めていなかったから、AIが足していたわけですね。
②-4 変わったのは中身ではなく、決めた人だった
2回とも、AIはちゃんと仕事をしています。手を抜いてもいませんし、間違えてもいません。
変わったのは、その作業の形を誰が決めたかだけです。
このセクションのまとめ
・「読みやすくしといて」でも、ちゃんと読みやすくはなります
・ただし、何をもって読みやすいとするかはAIが決めます
・頼んでいない直し(言葉づかいなど)が入っていても、報告に書かれないことがあります
・こちらが形を決めて渡すと、返ってくるものがそのまま使えるようになります
③ 変えるのは3つだけ
さきほど足したのは、たった3つです。ここからは、その3つを順番に見ていきます。
先に正直に書いておきます。3つのうち後ろの2つは、よく言われているとおりにやっても、ぼくの場合は足りませんでした。 どこが足りなかったのかまで含めて書きます。
③-1 出てきてほしい「形」を先に言う
いちばん効いたのがこれです。何をしてほしいかの前に、どんな形で返してほしいかを言います。
形の言い方の例
・そのまま貼れる形で
・表で。列は「◯◯・◯◯・◯◯」
・箇条書きで、5つまで
・1行1件で
ぼくがこれを言うようになる前は、返ってきたものを画面から手で選択してコピーしていました。中身は合っているのに、そのままでは使えない状態で返ってくるからです。
さきほどの実演で足したのも、この形だけです。「3列の表にして」「1行1店で」。それだけで、選択してコピーする手間が消えました。
なぜ効くのかというと、形は、こちらにしか分からない情報だからです。返ってきたものを何に使うのかを、AIは知りません。貼る先が表なのか、そのまま文章として出すのかが見えていない状態で、あちらは形を選んでいます。
③-2 お手本は「指すだけ」では足りない
2つ目です。「例を見せるといい」というのは、よく言われます。ぼくもそう思って、前に作ったものを指すようにしていました。
ところが、それで1回で揃うことは、あまりありませんでした。追加で言い直すことのほうが多かったです。
実演でも同じことが起きました。1つ目の表を作ったあとで、こう頼みました。そのまま貼れます。
さっき作った表と同じ形で、下のメモも表にしてください。

列の名前も数も揃いました。でも中身が揃っていません。
同じ「ひとこと」列なのに
・1つ目の表:定食がやすいらしい
・2つ目の表:品ぞろえがいいらしい・10時から20時・火曜休み
AIはこう説明していました。「営業時間と定休日の情報は消さず、『ひとこと』列にまとめて入れます」。元のメモにあった情報を捨てないための判断です。親切ではあります。
ただ、こちらが揃えたかったのは一言だけという長さのほうでした。そこは言っていなかったので、あちらが決めたわけですね。さきほどの1回目と、まったく同じ形です。
足したのは一言です。そのまま貼れます。
表の見た目だけでなく、列の順番と「ひとこと」の長さも、さっきの表に合わせてください。

これで揃いました。お手本を指すときは、どこを真似してほしいのかまで言う。 ぼくが遠回りしたのは、指せば全部そろうと思っていたからでした🐼
③-3 直しは「案を出させる」
3つ目です。返ってきたものが違ったとき、次に何と言うか。ぼくがよくやっていたのは、これでした。
「文章が長すぎです。シンプルにして」
これで直ることもあります。ただ、たいていは一度で終わりませんでした。どうシンプルにするかを決めていないので、またあちらが決めることになるからです。この記事のはじめに書いた構造と、そっくり同じですね。
効いたのは、次のどちらかでした。
方向を出す
・「1つの項目を1行に収まる長さにして」
・「例を減らして、手順だけ残して」
案を出させる
・「短くする案を3つ出して。それぞれ何を削るかも書いて」
とくに後ろのほうは、自分でも何が正解か分かっていないときに助かります。そのまま貼れます。
いまの内容を短くする案を3つ出してください。それぞれ、何を削って何を残すかも書いてください。
どれかを選ぶので、この時点では書き換えないでください。

最後の「この時点では書き換えないでください」を入れているのは、案を見る前に直されると、どこが変わったのか追えなくなるからです。
実演のときも、AIのほうから「もし『営業時間』『定休日』を独立した列にした5列の表のほうがよければ、そう言っていただければ作り直します」と案が出ていました。聞けば出してくれます。 こちらが「シンプルにして」で止めていただけでした。
このセクションのまとめ
・形を先に言う。形はこちらにしか分からない情報です
・お手本は指すだけでは足りません。どこを真似するかまで言います
・直すときは方向を出すか、案を出させます。「シンプルにして」だけでは、また向こうが決めます
・3つとも、やっているのは同じことです。こちらが決めていないところを、ひとつずつ減らしています
④ そのままコピペで使える頼み方
ここまでの3つを、実際に打てる形にまとめます。長い型はいりません。1文で足ります。
④-1 最初に頼むときの型
(何を)を、(どんな形で)にしてください。(変えてほしくないところ)は変えないでください。
書く場所を決めてしまえば、あとは埋めるだけです。そのまま貼れる例を置いておきます。
この一覧を「日付・件名・担当」の3列の表にしてください。
1行1件で、ほかの行は変えないでください。
最後の「ほかの行は変えないでください」を足しているのは、触ってほしい範囲をこちらで決めるためです。これが無いと、気を利かせて周りまで整えにきます。
④-2 お手本があるときの型
前に作ったものがあるなら、それを指したほうが早いです。ただし、指すだけで終わらせません。そのまま貼れます。
◯◯(前に作ったもの)と同じ形にしてください。
とくに、列の順番と、1マスあたりの長さを合わせてください。
2行目が肝心です。お手本のどこを見てほしいのかを1つか2つ書きます。全部そろえてと頼むより、揃えたい場所を名指しするほうが通ります。
④-3 直してもらうときの型
返ってきたものが違ったら、「違う」だけで止めないようにします。そのまま貼れます。
いまの内容を短くする案を3つ出してください。
それぞれ、何を削って何を残すかも書いてください。
どれかを選ぶので、この時点では書き換えないでください。
「案を3つ」と数を決めているのは、選べる状態にしてもらうためです。1案だけだと、それが良いのか判断できません。3つ並ぶと「これは削っていい」「これは残したい」が自分でも見えてきます。
④-4 AIにできないことも、書いておきます
この頼み方でも埋まらないところを、先に書いておきます。
この頼み方でも、AIが代わってくれないこと
・形を決めること……どんな形で欲しいかは、あなたにしか決められません
・あなたの「読みやすい」の中身……頭の中にある基準は、書かないかぎり見えていません
・どこまで揃えたいか……実演でも、列は揃えてくれましたが長さは揃えてくれませんでした
・最後に見ること……出てきたものを見て、違えば言い直すところは残ります
つまり、決める仕事はこちらに残ります。この記事の3つは、決める手間をなくす方法ではなく、決めたことをちゃんと渡す方法です。
このセクションのまとめ
・最初は「何を・どんな形で・どこは変えないか」の1文で足ります
・お手本を指すときは、どこを合わせてほしいかを1つか2つ名指しします
・直すときは案の数を決めて出させます。選ぶ前に書き換えさせないのがコツです
・形を決めるところと、最後に見るところは、こちらに残ります
⑤ それでもズレるときは、頼み方の外側にある
ここまでを試してもズレが続くなら、頼み方の問題ではないかもしれません。見分け方はかんたんで、同じズレが何度も出るかどうかです。
毎回ちがうズレなら、その場で言い直せば済みます。でも「またこれか」と思うズレが続くなら、1回ごとの言い方ではなく同じことが起きない仕組みのほうを作る番です。原因の見つけ方と止め方はこちらにまとめました。
もうひとつ、ズレに気づけていない場合もあります。実演でも、言葉が書き換わっていたのに報告には書かれていませんでした。確かめ方はこちらに書いています。
このセクションのまとめ
・毎回ちがうズレは、その場で言い直せば足ります
・同じズレが続くなら、言い方ではなく仕組みを作る番です
・そもそも気づけていないズレもあります。返ってきたものは、いちど見ます
⑥ 次の一歩

同じメモに4回頼んだ結果です。1つの長い段落が、形のそろった2つの表になりました。特別な機能は使っていません。決めていなかったことを、ひとつずつ言葉にしただけです。
この「決めてから頼む」は、文章を直すときだけの話ではありません。調べものをまとめてもらったときも、同じところでつまずきました。Claude Codeに調べさせて表にまとめる|そのまま使えたのは6つ中2つ
そのうち「この頼み方、毎回書いてるな」と気づく日が来ます。よく使うルールは、いちど書いておけば次から自動で読んでもらえます。
同じように、「ぼくはコードを書きません」「やさしい言葉でお願いします」といった自分の前提も、毎回言わなくて済みます。
この記事のまとめ
・同じ作業でも、頼み方を変えると返ってくるものは変わります
・雑に頼むと、どんな形にするかを決めるのはAIになります
・変えるのは3つ。形を先に言う/お手本はどこを真似するかまで言う/直すときは案を出させる
・「お手本を見せる」「あとで直す」は、それだけでは足りませんでした
・3つとも、やっているのは同じことです。決めていないところを、ひとつずつ減らしています
【今日からできる1アクション】
次に何かを頼むとき、1行だけ足してみてください。「◯◯の形で出してください」。それだけで、返ってくるものが変わります。

うまく伝わらなかったときは、自分の言い方を思い出してみてください。だいたい、決めていなかったところが返ってきています🐼
⑦ よくある質問(FAQ)
- Q毎回こんなに細かく書くのは、面倒ではありませんか?
- A
慣れると1文で足ります。書く時間より、言い直す時間のほうが長くなりがちです。よく使う言い方は毎回同じなので、そのうち考えずに打てるようになります。
- Q長く書くほど、うまく伝わりますか?
- A
長さではありませんでした。効くのは、決めていないところを減らすことです。長く書いても、形に触れていなければ形は決まりません。逆に「表で、1行1件で」の一言で変わることがあります。
- Qお手本になるものが手元にないときは?
- A
形だけ言えば足ります。迷うなら「3つ出して」と頼んで、選んだ1つを次からのお手本にする手もあります。
- Q「ほかは変えないで」と言ったのに、変わっていたときは?
- A
書き換える前に「こう変えます」と見せてくれるので、そこで断れます。すでに書き換わっていたら、同じ会話の中なら取り消しを頼めます。大事なファイルは渡す前にコピーを1つ置いておくと安心です。


