「こうしてね」と一度は伝えたのに、しばらく経つとAIがまた同じミスをする——そんな経験、ありませんか?🐼
・毎回同じ注意をしているのに直らない
・最初はできていたのに、いつのまにか元に戻っている
・「わかりました」と言うわりに、また同じ間違いを出してくる
この記事では、AIが指示を守らない・同じミスを繰り返す問題を、根性論ではなく「仕組み」で直す方法を紹介します。使うのは、モノづくりの現場で使われているトヨタ式の「なぜなぜ分析」という考え方。むずかしそうに聞こえますが、パンダでもわかるように、原因を2つに分けて考えるだけです。
実はこれ、私(クロパン)自身がAIとの作業で痛い目にあって、そこから学んだ話でもあります。むずかしい言葉は使わないので、クロパンと一緒に順番にいきましょう😊

AIって、賢いのに“同じところ”でつまずくんですよね。でも、これはAIの性格の問題じゃなくて、“仕組み”で防げる話なんです🐼
この記事は「AIに指示を守らせる考え方の全体像」です。「AI自身にルールをチェックさせる具体的なやり方」は、AIを「ルールの番人」にする方法でくわしく紹介しています。
① 結論|AIのルール無視は「根性」でなく「仕組み」で直る
先に結論からいきます。忙しい人はここだけ読めばOKです👇
・AIが同じミスを繰り返すのは「気合が足りない」からではなく、仕組みがないから
・ミスの原因は2種類(生まれた原因=発生/気づけなかった原因=流出)。分けると打ち手が見える
・一番効くのは「メモに書く」ではなく「機械で自動チェックして止める」こと
AIに「次からこうして」とお願いしても、しばらくすると守らなくなる。これって、あなたのお願いの仕方が悪いわけでも、AIがサボっているわけでもありません。
人でもAIでも、記憶や善意だけに頼っていると、時間とともにルールは忘れられて元に戻ります。工場の品質管理では、これを「気をつけましょう」で終わらせません。間違いが起きにくい仕組みと、間違いが外に出ない仕組みの両方を作ります。同じ発想をAIとの作業に持ち込むと、驚くほど再発が減るんです。
しかも、その“仕組み”づくりはむずかしくありません。Claude Codeなら、“日本語でお願いするだけ”で「見張りの仕組み」を作れます。この後で、実際に使えるお願い文(コピペOK)も載せますね🐼
・AIのルール無視は「性格」でなく「仕組み」の問題
・原因を2つに分け、仕組みで止めるのがゴール
② 「教えたのに、また同じミス」——AIあるあると私の失敗
まずは「あるある」から。AIに作業を任せていると、こんなことが起きます。
・「毎回この形式で出してね」と伝えたのに、数日後には別の形式に戻っている
・「これは必ず入れて」と言ったのに、急ぎのときにポロッと抜ける
・最初の頃はちゃんと守れていたのに、会話を重ねるうちにゆるくなる
私も、まさにこれをやられました。
私はAIに、毎朝の定型作業を任せていました。中身はシンプルで、「決まった“数”だけ成果物を仕上げる」というもの。たとえば「毎回10個そろえて出す」といったルールです。最初のうちは問題なく回っていました。
ところが、しばらく経ったある日。AIがそのルールを守らず、“少ない数”で仕上げて出してきたんです。私も忙しいと、つい「まあいいか」と、そのまま受け取ってなあなあにしてしまいそうになりました。でも、本当はそこで流しちゃいけないんですよね😅
大事なのはここからです。私は「AIがうっかりしただけ」で片づけませんでした。なぜ守られなかったのかを、ちゃんと掘ってみたんです。すると、原因が1つではないことがわかりました。

AIを責めても再発は止まりません。“なぜ起きたか”を掘ると、実は自分の“渡し方”にも穴があったと気づけるんです🐼
ちなみに補足しておくと、私はAIに丸投げしていたわけではありません。ルールも実体験も人間(私)が決めて渡し、文章化や作業をAIが担うという分担でやっています。それでも、この手のズレは起きます。だからこそ「仕組み」の話につながっていきます。
・「教えたのに再発」は、AIの性格でなく渡し方と検査の穴が原因
・ミスは責めずに「なぜ起きたか」を掘るのが第一歩
③ なぜAIは時間が経つとルールを無視するのか
「最初はできてたのに、なんで忘れるの?」——これには理由があります。
AIは、一度の会話でたくさんの情報を扱います。ルールをたくさん渡すほど、そして会話が長くなるほど、大事なルールが情報の海に埋もれていきます。人間でいえば、マニュアルが分厚くなりすぎて、肝心の1行が読み飛ばされる状態です。
しかも、ルールが目立たない場所に1回書いてあるだけだと、AIはそれを毎回きっちり思い出せるとは限りません。時間が経つ・急ぐ・情報が増える——こうした条件がそろうと、ルールはじわじわ守られなくなります。この「時間とともに元に戻る」現象を、この記事ではドリフトと呼びます。船が潮に流されて、気づいたら元の位置からずれている、あのイメージです⛵
ここで大切な発想の転換をします。ドリフトは、記憶や気合では防げません。人もAIも、忘れる生き物(?)です。だから「次は気をつけて」ではなく、忘れても大丈夫な仕組みを作る——これが正解になります。
・ルールは、量が増える・時間が経つ・急ぐほど守られなくなる(=ドリフト)
・気合では止まらない。「忘れても大丈夫な仕組み」が答え
④ トヨタ式「なぜなぜ分析」|ミスの原因は“2種類”ある
ここで、モノづくりの現場で使われる「なぜなぜ分析」の出番です。
なぜなぜ分析とは、トヨタが有名にした品質改善の考え方で、「なぜ?」を何回か繰り返して、本当の原因までたどるやり方です。「不良品が出た→なぜ?→◯◯だったから→なぜ?→…」と掘っていくと、表面的なミスの奥にある“本当の原因”にたどり着けます。
そして、モノづくりの現場にはもう一つ大事な考え方があります。それが、原因を「2種類」に分けるという発想です。
④-1 発生原因|そもそも、なぜ間違いが生まれたのか
1つ目は発生原因。「なぜその間違いが作られてしまったのか」です。
私の失敗でいえば、ルールが資料の目立たない場所に埋もれていて、AIが記憶頼りで急いで作業してしまった——これが発生原因でした。ルールが“見えにくい場所に1回だけ”あったので、そもそも間違いが生まれやすい状態だったんです。
④-2 流出原因|なぜ、気づかず外に通ってしまったのか
2つ目は流出原因。「なぜその間違いに気づけず、そのまま外(=私の手元や、その先)に通ってしまったのか」です。
私の場合、出来上がりの“数”を、誰もチェックしていませんでした。数が足りなくても、それを止める関所がなかった。だから素通りしてしまった——これが流出原因です。
同じ「数が足りない」というミスでも、「なぜ生まれたか(発生)」と「なぜ通ったか(流出)」は別モノです。この2つを分けると、打つべき手が2つ見えてきます。
・なぜなぜ分析=「なぜ?」を繰り返して本当の原因まで掘る
・原因は2種類:発生(なぜ生まれた)/流出(なぜ通った)
・分けて考えると、対策も自然と2つ見えてくる
⑤ 打ち手も2つ|「生まれにくくする」×「外に通さない」
原因が2つなら、対策も2つです。片方だけだと、必ずまた漏れます。
⑤-1 発生対策|ルールを「目立たせる」「毎回使う型」にする
まずは発生対策。間違いが“そもそも生まれにくい”状態を作ります。ポイントは3つです。
①ルールを一番目立つ場所に置く(奥に埋もれさせない)
②毎回使うテンプレート(型)にルールを埋め込む(思い出さなくても、型を使えば自動で守られる)
③作業を始める前に、必ずルールを読ませる
私の場合は、埋もれていたルールを一番目立つ場所に移し、毎回使う作業テンプレに「この数だけ作る」と直接書き込みました。これだけで、“うっかり”はぐっと減ります。
AIにルールを効かせる書き方は、CLAUDE.mdの書き方(毎回同じ説明をやめさせる方法)やClaude Code メモリ機能の使い方でくわしく紹介しています。どちらも「ルールを目立たせて、毎回思い出させる」ための発生対策です。
⑤-2 流出対策|メモでなく“仕組み”で止める(=関所)
でも、発生対策だけでは足りません。人もAIも、どれだけ気をつけても、たまにはすり抜けます。だから2つ目の流出対策——間違いが外に出ないように止める“関所”を作ります。
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
上の図の左(Before)は「ルールをメモに書く→時間が経つ→ドリフト→また再発」というループ。メモに書くだけでは、ドリフトに負けて再発します。
右(After)は、出来上がりを機械的にチェックする関所を通す形。基準を満たさなければ、そこでストップがかかります。人の記憶に関係なく、毎回止まる。だから再発しません。
私の失敗も、最後に効いたのはこれでした。「数」を自動で数えて、足りなければ止める——たったこれだけの小さな関所を1つ足したら、あの再発はピタッと止まったんです😊
AIの「できました」を鵜呑みにせず、出来上がりを確かめる考え方はAIの「できました」を鵜呑みにしない検証術でも書いています。関所づくりの実践編として、AI自身にルールを見張らせるAIを「ルールの番人」にする方法もあわせてどうぞ。
・発生対策:ルールを目立たせ、毎回使う型に埋め込む(生まれにくくする)
・流出対策:機械チェックの関所で止める(外に通さない)
・「メモに書く」はドリフトに負ける。「仕組みで止める」が勝つ
⑥ 非エンジニアでも作れる“かんたんな関所”3つ
「関所って、プログラムでしょ?私には無理…」と思いましたか?大丈夫です🐼
関所は、必ずしもむずかしいプログラムである必要はありません。「出来上がりを、決めた基準で毎回チェックして、ダメなら止める」——この形なら、非エンジニアでも作れます。カンタンな順に3つ紹介します。
①チェックリストで止める(一番かんたん)
出来上がりを受け取る前に、「◯個そろっているか」「必ず入れる項目が入っているか」を、毎回そのまま確認する固定のリストを作ります。紙でも、ちょっとしたメモアプリでもOK。ポイントは、気分で省略せず“毎回必ず”通すこと。人の関所ですが、これだけでもかなり止まります。
②AIに“自己点検”させる(中くらい)
AIに作業を頼むとき、最後に一言つけ足します。「出す前に、◯個そろっているか自分で数えて、足りなければ止めて報告して」。AI自身に関所役をやらせるやり方です。人が毎回チェックしなくても、AIが出す前に自分で引っかけてくれます。ただし「本当に数えたか」は時々こちらでも確かめると安心です。
③かんたんな自動チェックを足す(しっかり)
「数」や「形式」のように、機械で測れるものは、小さな自動チェックの仕組みにするのが一番強いです。イメージは、電卓のように“数”を数えて、基準に足りなければ「ストップ」と言ってくれる小さな見張り役です。
そして、ここがClaude Codeの一番の強みです。むずかしいプログラムを書けなくても、“日本語でお願いするだけ”でClaude Codeが見張りの仕組み(関所)を作ってくれます。たとえば、こんなふうにお願いするだけでOKです👇
私はClaude Codeに「〇〇(毎回やってもらう作業)」を頼んでいます。
毎回「△△(守ってほしいルール。例:成果物を10個そろえる)」を守ってほしいのに、
ときどき守られずに出てきてしまいます。
出す前に△△を満たしているかを自動でチェックして、
足りなければ止めて「ここが足りません」と教えてくれる、
かんたんな“関所”の仕組みを作ってください。
・むずかしいプログラムの知識はないので、使い方もやさしく説明してください
・チェックの基準(数や項目)は、上の△△に合わせてください
これだけで、あなた専用の“関所”ができあがります。一度作ってしまえば、あとはあなたの記憶に関係なく、毎回自動ではたらきます。「メモに書いて自分で気をつける」から「Claude Codeに関所を作ってもらう」に変えるだけで、再発はぐっと減りますよ🐼
大事なのは、完璧なものをいきなり作らないこと。まずは①のチェックリストから始めて、よく再発するものだけ②③に育てていけば十分です。
・関所は「基準どおりか毎回チェックして、ダメなら止める」だけでOK
・①チェックリスト→②AIに自己点検→③かんたんな自動チェック、の順で育てる
・機械で測れるもの(数・形式)は自動チェックが最強
⑦ 実例|スクショを貼って「なぜなぜして」と頼んだだけで、Claude Codeが仕組みまで作った
ここまでの「原因を2つに分ける」「打ち手も2つ」「関所」を、私の実話で通しでお見せします。むずかしい操作は本当に何もしていません。やったのは「問題の画面をスクショして貼る」→「日本語でお願いする」だけです🐼
⑦-1 起きたこと:毎朝の“定型ブリーフ”が、勝手に省略された
私は毎朝、Claude Codeに「決まった項目をそろえた“おはようブリーフ”」を出させる運用にしています。ところがある朝、いくつかの項目を勝手に省いた“簡素版”が出てきました。しかもこれは、以前一度直したはずの同じ省略の再発——まさに「教えたのに、また同じミス」です。

⑦-2 やったこと:スクショを貼って「なぜなぜして」と頼んだだけ
私がしたのは、簡素版が出た画面をスクショして貼り付け、こう日本語で頼んだだけです。「また簡素化されてる。まず本来出すべき内容を出して、そのあとトヨタ式のなぜなぜ分析で“発生原因”と“流出原因”に分けて対策して」。コードは一行も書いていません。

⑦-3 Claude Codeの回答:まず“本来出すべき完全版”を提示
すると、Claude Codeはまず本来そろえるべきだった“完全版”を出し直してくれました。これで「どの項目が抜けたのか」が一目でわかります。

⑦-4 そして“2つの原因”に分解してくれた
発生原因は、「正本(お手本の元ファイル)を朝イチで読まず、記憶で組んでしまった」こと。だから省略が“生まれた”わけです。

流出原因は、「提出前のチェックが“自己申告”だけで、機械の関所がなかった」こと。だから省略に気づかず“通って”しまった。ここまで、この記事で説明した2軸そのままですよね。

⑦-5 打ち手も2つ=そして“機械の関所”まで自動で作ってくれた
Claude Codeが出した打ち手も、きれいに2つでした。発生対策=「まず正本を必ず読んでから作る」手順に強化。流出対策=「必須項目がそろうまで提出させない“小さなチェッカー”」を新しく作成——これが機械の関所です。私は「作って」と日本語で頼んだだけで、Claude Codeがその仕組みまで用意してくれました。
・前は「次から気をつける」=気合いの対策 → 忙しい日にすり抜けて再発した
・今回は“機械の関所”を足した → 必須項目が欠けたら自動で止まる
・人の記憶に関係なく毎回止まる=再発が“仕組み”で止まった

必要だったのは「問題のスクショ」と「日本語のお願い」だけ。原因の分解も、仕組み(チェッカー)づくりも、ぜんぶClaude Codeがやってくれました。プログラムが書けなくても大丈夫。あなたにも、きっとできます🐼
⑧ まとめ|今日からの1アクション
長くなったので、もう一度3行でおさらいします。
・AIのルール無視は「根性」でなく「仕組み」で直る
・原因を2つ(発生/流出)に分けると、対策も2つ見える
・一番効くのは、メモでなく「機械で止める関所」。ドリフトに負けない
そして、今日からできるたった1つのアクションはこれです👇
あなたがAIに「毎回言ってるのに直らない」と一番感じているミスを、1つだけ思い浮かべてください。そのミスに、小さな関所を1つ作ってみましょう。まずはチェックリストでOK。「出来上がりを受け取る前に、ここだけは毎回確認する」を決めるだけです。
全部を一度に仕組み化しようとしなくて大丈夫です。一番よく再発する1個から始めれば、それだけで「またやられた…」がぐっと減ります😊

AIは、ちゃんと関所を作ってあげれば、すごく頼れる相棒になります。責めるより、仕組みを1つ。今日からいっしょにやってみましょう🐼
⑨ よくある質問(FAQ)
- Qなぜなぜ分析って、専門知識がないと使えませんか?
- A
いいえ、大丈夫です。やることは「なぜ?」を何回か繰り返して本当の原因まで掘るだけ。今回のように「発生(なぜ生まれた)」と「流出(なぜ通った)」の2つに分けて考えるクセをつければ、専門知識がなくても十分に使えます。
- Qルールをちゃんと書けば、関所は作らなくてもいいのでは?
- A
書くこと(発生対策)はとても大事ですが、それだけだと時間とともに守られなくなります(ドリフト)。人もAIも、たまにはすり抜けるからです。だから「書く」+「関所で止める」の両方をおすすめします。片方だけだと、いつか必ず漏れます。
- Q強い言葉(「絶対」「必ず」)で念押しすれば守りますか?
- A
ある程度は効きますが、それも“記憶頼み”なので、時間が経つと弱くなります。念押しは発生対策の補助くらいに考えて、機械で測れるもの(数・形式)は自動チェックの関所にするほうが、はるかに確実です。
- Q関所を作るのがむずかしそうです。何から始めればいい?
- A
まずは紙のチェックリスト1つでOKです。「出来上がりを受け取る前に、ここだけは毎回確認する」を1項目決めるだけ。慣れてきたら、AIに自己点検させたり、かんたんな自動チェックに育てたりしていきましょう。
- QAIに任せるのは“丸投げ”で危なくないですか?
- A
丸投げは危険ですが、今回の考え方はむしろ逆です。ルールや基準は人間が決めて渡し、作業をAIが担い、出来上がりは関所でチェックする——という分担にすれば、AI任せの危うさを仕組みでカバーできます。

