息子と離れて暮らす父親が高校受験のためにClaude Codeで作ったスライド資料

夜の書斎でノートPCに向かうパンダの父親と、画面の向こうの小さいパンダ。離れて暮らす息子の高校受験のためにClaude Codeでスライドを作った記事のアイキャッチ その他の活用
記事内に広告が含まれています。

サッカーで高校に行く道もありました。でも息子は、勉強で行く道を選びました。受験まで、あと6か月。離れて暮らすぼくにできるのは、画面越しに話すことだけ。言葉にすると説教になるので、魂を込めた資料にしました。サッカーで積み上げたものは、勉強でもきっと武器になる。それを伝えたくて、Claude Codeと4日間で69枚のスライドを作りました。渡したプロンプトも、全部そのまま載せます。

  1. 離れて暮らす息子に、説教ではなく「魂を込めた資料」を作った
    1. 受験まで、あと6か月
    2. かかった時間は、4日間で約5時間
    3. この記事の3行まとめ
    4. 最初に否定しておきたいこと
  2. 壁打ちはChatGPT、資料作りはClaude Code
    1. 最初に送ったのは63文字だった
    2. 一般論しか返ってこないのは、こちらが渡していないから
    3. 誘導しないつもりが、ぼくの本音が資料に出ていた
    4. だから、役割を分けた
  3. Claude Codeに渡した最初のプロンプトと、返ってきた44枚
    1. 渡したプロンプトの全文
    2. いちばん効いたのは「〜しないでください」だった
    3. 44枚。でも黒背景で読めなかった →「genspark風にして」
    4. 長い依頼文を作るときのコピペ用プロンプト
  4. いちばん悩んだこと:押し付けにならない資料にする
    1. 強制するなら、会議はしないほうがまし
    2. 夢がないのは知っていた。だから「仮の目標」を置いた
    3. お金は贅沢のためではなく、自由と選択権のため
    4. サッカーを捨てるのではなく、使い道を増やす
    5. 最後のページは「でも、これはお父さんの案。」
  5. 資料で伝えたかったこと(スライドで見る)
    1. 5,000万円は、正解でもゴールでもない
    2. サッカーの仕事でも、道はこんなに違う
    3. 通知表と実力テストを並べて、教科の作戦を立てた
    4. 努力より、継続より、習慣化
    5. 塾は課金。でも、操作するのは自分
    6. 迷ったら戻ってこられる、9つの原理原則
  6. 作りながら工夫したこと
    1. 話が飛んでいた。だから橋を2枚かけた
    2. 遠い話から手元の話へ。AIに3案出させて1枚足した
    3. 有名な格言でも、出典が確かめられないものは、そう書いた
    4. 数字はAIに作らせない
    5. 見た目の崩れは、AI自身に見させた
    6. 44枚から76枚まで増えて、69枚に戻った
  7. 会議当日、息子はあくびをした
    1. リビングで、Zoom。かしこまらずに
    2. 序盤で、あくび。だから説明を削った
    3. 弟には「受験はチームプレイ」とだけ頼んだ
    4. 身を乗り出したのは、お年玉のオルカン
    5. 歯磨きのあとに聞いた「パパが一番伝えたかったことは?」
    6. 夜の2時間は、量ではなく「理由」が変わった
    7. 強制はしない。決めるのは本人
  8. よくある質問

離れて暮らす息子に、説教ではなく「魂を込めた資料」を作った

受験まで、あと6か月

ぼくは息子と離れて暮らしていて、会うのは画面越しです。

限られた時間で受験の話をすると、どうしても「勉強してるか」「大丈夫なんか」になります。言い方を変えても、届くのは中身ではなく急かされている感じのほうです。何度かやって、これは無理だなと思いました。

言葉だけの小手先や、親としての圧力。短い期間でいいなら、それでも動かせるかもしれません。でも息子の人生のことを考えたら、それは正しくないと思いました。

言葉で言うと説教になる。だったら、資料にすればいい。

そう考えて、家族会議用のスライドを Claude Code と作りました。表紙に書いたのは「これからの10年、20年のための6か月。」です。

高校受験の家族作戦会議スライドの表紙
筆者が作成した資料の表紙。記事掲載用に、学校名・点数・評定などの数値はすべてダミーに差し替えています

資料は、息子がここまでやってきたことを認めるところから始めています。いきなり受験の話をするのではなく、サッカーと勉強を両立してきた3年間を、最初に1枚で置きました。

中学の3年間サッカーを頑張ってきたことを振り返るスライド
筆者作成の資料より(記事用に数値はダミー)

かかった時間は、4日間で約5時間

ぼくのリアル
やったこと:家族会議用のスライドを Claude Code に作らせた
 (pptx・発表者ノート付き)
起きたこと:44枚で始まり、作り直しを重ねて69枚になった
かかった時間:4日間で合計約5時間
わかったこと:Claude Codeに出会っていなかったら、資料を作るという発想そのものがなかった。自分ひとりで作っていたら1週間はかかっていたと思う

同じ内容でも、言葉だけで伝えると説得力がありません。目で見えるものがないと、なおさら分かりづらい。仕事では当たり前のように資料を作っているのに、なぜか子どもには言葉だけで伝えようとしていました。仕事でやっていることを、子どもにも同じだけ魂を込めてやれば、もっと伝わるはずです。 そう思えたのは、Claude Codeで資料を作るハードルが一気に下がったからです。

5時間と1週間の差は、Claude Code を使ういちばん分かりやすい効きどころだと思います。ぼくがやったのは、考えることと、出てきたものを見て直しを指示することだけです。図形の位置をそろえる、文字が枠からはみ出していないか確認する、数字を図の長さに変換する——この手が動く部分が丸ごと消えます。

クロパン
クロパン

「69枚って多すぎない?」と思いますよね。ぼくもそう思います。最初は44枚でした。増えた理由は後半で書きます。

この記事の3行まとめ

・言葉で言うと説教になるので、説教の代わりに資料を作った
・Claude Code と作ったスライドは69枚。手を動かす作業が消えたぶん、「何を伝えるか」に時間を使えた
・いちばん悩んだのは押し付けにならないこと。渡したプロンプトも、全部そのまま載せます

最初に否定しておきたいこと

これは、息子に勉強させるための資料ではありません。

高校受験のためだけの資料でもありません。ぼくが渡したかったのは、こういう考え方もあるという選択肢です。決めるのは本人です。

これだけ時間をかけて、魂を込めて作れば、息子も何かは感じてくれるだろう。愛が伝わればそれでいい。 それくらいの気持ちでした。

クロパン
クロパン

正直に言うと、社長を説得する資料より魂を込めました(笑)

……ところが、この「連れていかない」という前提は、作っている途中で一度崩れかけました。崩していたのは、ぼく自身の本音でした。その話から始めます。


壁打ちはChatGPT、資料作りはClaude Code

資料を作る前に、ChatGPTで壁打ちをしました。

先に言っておくと、ChatGPTでうまくいかなかったから Claude Code に乗り換えた、という話ではありません。 考えを整理する相手としてはChatGPTが向いていて、実際に手を動かしてファイルを作るのは Claude Code が向いている。それだけの話です。役割を分けました。

最初に送ったのは63文字だった

以下は、ぼくが実際に最初に送った文章です(コピペ用ではなく、参考として載せます)。

今週日曜日に長男の高校受験のための作戦会議を家族4人で行います。
あとで情報を読み込ませるのでどのように進めるべきかまずは教えて

点数も、志望校も、この時点では一切渡していません。進め方だけを聞いています。

返ってきたのは、正直に言えばどの家庭にも当てはまる一般論でした。本人の希望を聞く→現在地を数字で確認する→志望校を3段階にする→教科別の作戦→毎日の行動→家族の役割。よくできてはいるけれど、うちの話は1文字も入っていません。

一般論しか返ってこないのは、こちらが渡していないから

同じ回答の最後に、ChatGPTは「通知表・実力テストの点数・模試・志望校・塾の状況を送ってください」と資料を要求してきました。

つまりズレていたのではなく、こちらが何も渡していなかっただけです。一般論しか返ってこないときは、たいてい情報を渡していません。これは資料作りにかぎった話ではないと思います。

そこから、実力テストの点数、先生から聞いた目安、親としての考え、あとからは通知表の画像まで、順番に渡していきました。

誘導しないつもりが、ぼくの本音が資料に出ていた

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

点数を渡した直後、ChatGPTは一度だけ、ぼくの考えに待ったをかけました。「最初から〈上位校のほうがお金持ちになれる〉と結論づけないこと」。将来の収入は大学や職業や本人の努力にも左右されるから、そこは本人に考えさせるほうが響く、と。

ChatGPTが自分から押し返してきたのは、この1回だけです。

問題は、そのあとでした。

正直に言えば、ぼくには「できれば上位校に行ってほしい」という本音がありました。「誘導はしない」と言いながら、渡した言葉のあちこちにその本音が混ざっていたんです。AIはそれを汲んで、そのまま資料の形にしていました。

できあがってきたスライドを見て、気づいたのは、ぼくでした。 上位校の話が、かなり早い段階から前に出ている。これでは反発される。そう思って、ChatGPTに「上位校の話は例として出すくらいでいい。あまり誘導する形を強調すると、逆に反発されるおそれがある」と伝えました。

ChatGPTはそれに同意して、状況をこう言葉にしてくれました。

〈誘導しない〉と言いながら、その高校がかなり早い段階から主役になっているので、息子さんからすると〈結局、そこに行かせたい会議なんやろ〉と感じる可能性があります」

そこで、上位校を前面に出していたスライドは、まとめて削除しました。上位校は架空の例として並べる程度にして、主役を、高校名から息子のその先に戻しました。

高校入試の順位は最終順位ではないことを架空の2人で示したスライド
筆者作成の資料より。学校名は記事用のダミー(A高校・B高校)です
入る高校ではなくその高校からどこまで行くかを示したスライド
筆者作成の資料より(学校名はダミー)

AIは、頼んだ人の本音まで汲んで形にします。止められるのは、頼んだ本人だけでした。

だから、役割を分けた

考えを整理する・方針を疑ってもらう → ChatGPT
決まった方針をファイル(pptx)にする → Claude Code

この分け方は今回だけの話ではなくて、ぼくはふだんからこうしています。詳しくはChatGPTとClaude、両方いる?会話の相棒と作業の部下に書きました。

壁打ちが終わったら、その内容を依頼文に変換してもらいます。以下をそのまま貼ってください。

ここまでの相談内容を、別のAIに資料作成を依頼するための指示書にまとめてください。
次の6つを必ず入れてください。
①誰に見せる資料か ②何を決めるための資料か ③絶対に入れてほしい内容
④入れてはいけない内容 ⑤枚数とファイル形式 ⑥数字の扱い(推測で書かない・出典を明記する)
私が話した内容だけを使い、あなたが新しく想像した設定は入れないでください。
私が話していない項目は「未定」と書き、指示書の最後に「私に確認したいこと」として質問をまとめてください。
指示書は、そのままコピーできるように1つのコードブロックで出してください。

なぜこう頼むのか:会話は長くなるほど前提が散らばるので、ここで1枚にまとめておかないと、次のAIに渡した瞬間に抜け落ちます。

このプロンプトでAIにできないこと
・あなたが話していない事情を補うこと
 (家庭の事情・本人の性格は、渡さないかぎり入りません)
数字を確かめること(この段階では出典を持っていません)
あなたの本音を見抜くこと(誘導したい気持ちがあるなら、それも書いてしまいます)
相手がどう感じるかを決めること(受け取り方は本人のものです)

この章のまとめ
・一般論しか返ってこないときは、こちらが情報を渡していない
・誘導しないつもりでも、本音は資料に出る。止めるのは自分
・考えるのはChatGPT、ファイルにするのはClaude Code


Claude Codeに渡した最初のプロンプトと、返ってきた44枚

壁打ちで固めた内容を、そのまま Claude Code に渡しました。渡したプロンプトは約7,300文字ありました。全文をこのあと載せます。

長いと思われるかもしれませんが、長さそのものより「何を書いたか」が効きます。 実際に入れたのは次の6つでした。

役割:「あなたはプロのプレゼンテーションデザイナー兼教育資料デザイナーです」
用途:誰が、何人で、どれくらいの時間、何のために見る資料か
目的:この資料で何を決めたいのか(=何を決めたくないのか)
禁止事項:やってほしくないことを名指しで書く
デザイン指定:比率・言語・1枚あたりの情報量・使ってよい図の種類
スライド構成:1枚ずつ、載せる内容を全部書く

渡したプロンプトの全文

以下が、実際に Claude Code に渡したプロンプトの全文です(このままコピペするためのものではなく、書き方の参考として載せます。学校名と点数は記事用のダミーです。「5か月」は、このプロンプトを書いた時点での原文のままです)。

読んでみると、冒頭の「最重要目的」から、もう上位校の名前が出てくるのが分かると思います。「B高校に行かせる会議ではない。」と書きながら、構成には上位校の話が前に出ている。さきほど書いた「本音」は、ここにも出ていました。

あなたはプロのプレゼンテーションデザイナー兼教育資料デザイナーです。

家族4人で行う
「高校受験・家族作戦会議」
のPowerPointを作成してください。

対象:
・父
・母
・中学生の長男(高校受験生)
・弟

所要時間:約2時間

================================
■ この資料の最重要目的
================================

現在第一志望である「県立A高校」を否定せず、

現在の実力テスト402/500点という結果から、

「残り約5か月、本気で取り組めば
県立B高校も選択肢にできるのではないか?」

と本人に考えてもらう。

最終目的は、

「B高校へ行かせること」

ではない。

「B高校とA高校のどちらでも
自分で選べる学力まで持っていくこと」

そして最後に本人自身が進路を決めることである。

親からの説教資料に絶対にしない。

テーマは

「人生の作戦会議」

とする。

================================
■ デザイン
================================

・16:9
・日本語
・中学生が理解できる
・大人っぽく、かっこいい
・受験塾の広告風は禁止
・1スライド1メッセージ
・文章を詰め込まない
・重要な数字を大きく
・図解中心
・アイコンを効果的に使用
・実在企業のロゴは禁止
・学校ロゴも使用しない
・サッカーの「作戦ボード」を全体モチーフとして使用
・サッカーのフォーメーション、矢印、ゴールなどを適度に利用
・ただし幼児向けのデザインにはしない

タイトルテーマ:
「残り5か月。自分の人生の選択肢を増やす。」

================================
■ スライド構成
================================

【1】
表紙

高校受験
家族作戦会議

残り5か月。
どこまで行ける?

「人生の作戦会議」

-------------------------------

【2】
今日の目的

「B高校に行かせる会議ではない。」

大きく、

「自分で高校を選べるところまで
可能性を広げる会議。」

-------------------------------

【3】
ここまで頑張ってきた

勉強
+
サッカー

「どちらも頑張ってきた。」

否定から始めない。

-------------------------------

【4】
サッカーで身につけた武器

努力する
考える
失敗から学ぶ
自分の武器を知る
弱点を練習する
試合から逆算する

↓

「全部、受験でも使える。」

-------------------------------

【5】
人生について本人に質問

・なぜA高校?
・高校で何をしたい?
・サッカーは?
・大学は?
・どんな仕事をしたい?
・どんな大人になりたい?
・お金は欲しい?
・海外は?

回答を書き込める余白を大きく取る。

-------------------------------

【6】
現在地

実力テスト

国語83
数学90
社会86
理科74
英語69

中央に巨大に

402 / 500

-------------------------------

【7】
402点を分解する

強い武器

数学90
社会86
国語83

伸びしろ

理科74
英語69

「弱点=まだ伸ばせる場所」

-------------------------------

【8】
402 → 440点台へ

現在→目標

国語83 → 85前後
数学90 → 90以上
社会86 → 90以上
理科74 → 85前後
英語69 → 85前後

合計
402 → 440点台

※440点はB高校の公式合格ラインではなく、
家庭内で設定するチャレンジ目標であることを明記。

-------------------------------

【9】
最大の伸びしろ

数学
90→100でも +10

英語
69→85なら +16

理科
74→85なら +11

英語+理科だけで

「+27点の伸びしろ」

を大きく表示。

-------------------------------

【10】
今の第一志望

A高校

「なぜA高校?」

本人が回答するスライド。

A高校を否定する表現は禁止。

-------------------------------

【11】
もう一つの可能性

B高校

「もし残り5か月、本気でやったら?」

↓

「B高校も選択肢にできる?」

-------------------------------

【12】
A高校 vs B高校

最新の公式学校資料をWEBで調査する。

最優先ソース:
B高校 公式サイト
(B高校の公式サイトURL)

A高校 公式サイト
(A高校の公式サイトURL)

最新の大学進学・合格実績を比較。

・国公立
・難関国公立
・関関同立等

注意:
「延べ合格者数」と「実進学者数」を絶対に混同しない。
データ年度を表示。
公式情報がない数字を推測しない。

結論は、

「どちらからでも大学は目指せる」

そのうえで、

「進学環境や周囲の目標、選択肢には違いがある」

という公平な表現にする。

-------------------------------

【13】
学歴社会の現実

大きく

「学歴=人間の価値ではない。」

その下に

「でも、最初の信用材料の一つになることはある。」

-------------------------------

【14】
銀行ならどうする?

知らない人:

「信用してください!
1,000万円貸してください!」

↓

銀行:

年収
勤務先
資産
返済実績
信用情報

を見る。

メッセージ:

「言葉だけでは信用を判断できない。」

-------------------------------

【15】
詐欺師ほど良いことを言う

「絶対儲かります」
「私を信用してください」

↓

言葉だけでは判断できない。

↓

社会には
「信用を判断する材料」が必要。

※特定人物や犯罪手法の紹介にはしない。

-------------------------------

【16】
就職も少し似ている

22歳の新卒

↓

まだ仕事の実績が少ない

↓

大学
資格
成績
活動経験なども
判断材料になる。

大きく

「学歴は人生のすべてではない。
でも、自分から捨てなくてもいい武器。」

-------------------------------

【17】
サッカーに例えると

所属チーム
大会実績
ポジション

=プロフィール

↓

実際の試合

=本当の実力

メッセージ:

「学歴はプロフィールの一つ。
試合が始まれば実力勝負。」

-------------------------------

【18】
高校はゴールではない

図解:

高校の学習環境
↓
大学・学部の選択肢
↓
仕事・資格の選択肢
↓
収入の可能性
↓
投資できるお金
↓
時間 × 複利
↓
資産形成

-------------------------------

【19】
お金持ちって何?

本人への質問。

年収?
貯金?
家?
車?
旅行?
自由な時間?
家族?

答えを決めつけない。

-------------------------------

【20】
一つの目標

巨大に

「5,000万円」

「もし23歳から資産形成を始めたら?」

-------------------------------

【21】
5,000万円シミュレーション

23歳から積立
年平均5%と仮定

月3万円
→ 約64〜65歳

月5万円
→ 約56歳

月7万円
→ 約51歳

月10万円
→ 約45〜46歳

月15万円
→ 約40〜41歳

棒グラフまたはタイムラインで表示。

必ず

「年5%は説明用の仮定。
将来の運用成果を保証するものではない。
税・手数料等を考慮しない単純モデル。」

と明記。

-------------------------------

【22】
月5万円 vs 月10万円

月5万円
5,000万円 → 約56歳

VS

月10万円
5,000万円 → 約45〜46歳

中央に

「約10年」

ただし、

「B高校とA高校で10年差がつく」
という意味では絶対に表現しない。

「将来、投資に回せる金額が違った場合の
シミュレーション」

であることを明記。

-------------------------------

【23】
お金は何のため?

大きく

「選択肢を増やすため。」

家族
旅行
好きなこと
住む場所
仕事
困った時
自由な時間

-------------------------------

【24】
サッカーを仕事にする

中央にサッカーボール。

そこから

医学
理学療法
スポーツメーカー
マーケティング
IT
AI
データ分析
英語
経営

へ枝分かれ。

-------------------------------

【25】
サッカー × 勉強

大きく

「サッカーを諦めて
勉強するんじゃない。」

↓

「勉強できると
サッカーとの関わり方も増える。」

-------------------------------

【26】
英語は将来への武器

英語
↓
高校受験
↓
大学受験
↓
海外
↓
スポーツビジネス
↓
外資系企業
↓
将来の選択肢

「英語69点は弱点ではなく
大きな伸びしろ。」

-------------------------------

【27】
残り5か月

巨大な数字で

「約150日」

「時間は無限ではない。」

-------------------------------

【28】
必要なら課金ブースト

ゲーム風のレベルアップ図。

独学
↓
試行錯誤
↓
時間がかかる

必要なら

塾
個別指導
家庭教師
オンライン

を利用。

大きく

「時間をお金で買う。」

親は必要な教育費を出す意思がある。

ただし本人が希望した場合に利用する。

-------------------------------

【29】
ただし

ゲームの強い装備を買った

≠

勝てる

塾に入った

≠

成績が上がる

大きく

「使うのは自分。」

-------------------------------

【30】
環境ブースト

タイトル:

「周りが頑張ると、自分も頑張れる。」

家:
スマホ
ゲーム
ベッド
YouTube

VS

塾・図書館・自習室・カフェ:
周囲が勉強している

「意志だけで戦わない。
頑張れる環境に自分を置く。」

小さく
「社会的促進・ピア効果など」
と表記。

科学的に断定し過ぎない。

-------------------------------

【31】
サッカーと同じ

強い仲間と練習する
↓
練習の基準が上がる
↓
自分も上がる

勉強も

本気で勉強する仲間
↓
勉強の基準が上がる
↓
自分も頑張る

-------------------------------

【32】
塾代で買うもの

授業だけではない。

① 最短で教えてもらう
② 勉強方法
③ 質問できる環境
④ 自習室
⑤ 周囲の本気
⑥ 時間

中央に

「環境への投資」

-------------------------------

【33】
でも一番大事なのは生活

大きく

「今の生活のままで
440点台を狙える?」

本人に質問する。

-------------------------------

【34】
時間を増やすのではない

24時間の円グラフ。

「睡眠を削る」
はNG。

大きく

「時間を増やすのではなく
時間の使い方を入れ替える。」

-------------------------------

【35】
平日の新しい作戦

5:30 起床

5:40〜6:20
英語40分

学校

放課後
サッカー・部活

18:00〜19:00
帰宅・夕食・休憩

19:00〜20:00
数学・理科・社会

20:00〜20:30
風呂

20:30〜21:00
英語・暗記

21:00〜21:20
自由時間・翌日準備

21:20
スマホ終了

21:30
就寝

5:30起床
=睡眠8時間

※本人の学校・部活・通学時間に応じて調整可能と明記。

-------------------------------

【36】
朝を武器にする

朝:

スマホ通知が少ない
ゲームを始めにくい
学校前なので終了時間が決まっている

↓

英語40分

「朝型そのものを正義にしない。
本人が集中できるか1〜2週間試して判断。」

-------------------------------

【37】
英語は毎日

朝40分
+
夜30分

=70分/日

150日続けると

約175時間

巨大に

「175時間」

※単純計算であることを表示。

-------------------------------

【38】
理科は弱点単元を攻略

「理科74点」

↓

理科全部を勉強する
ではなく

答案分析

↓

電気?
化学?
天体?
生物?
計算?

↓

弱い単元へ集中投資

-------------------------------

【39】
ゲーム・スマホをどうする?

親から一方的に禁止しない。

本人への質問:

「440点台を目指すなら
自分ならどうする?」

・何分?
・いつ?
・勉強前?後?
・何時まで?

本人がルールを書く欄を用意。

-------------------------------

【40】
受験までの優先順位

本人に並べてもらう。

睡眠・健康
学校
受験勉強
サッカー・運動
家族
友達
ゲーム
スマホ
YouTube・SNS

ドラッグ&ドロップ風のデザイン。

正解は最初から表示しない。

-------------------------------

【41】
次の作戦を自分で決める

質問:

① B高校も狙ってみたい?

② 次の実力テストの目標は?

③ 英語をどうする?

④ 理科をどうする?

⑤ 塾・自習室を使いたい?

⑥ ゲーム・スマホをどうする?

⑦ 何時に寝て何時に起きる?

回答欄を大きくする。

-------------------------------

【42】
最後の質問

中央に巨大に

「残り5か月
本気でやってみる?」

その下:

「B高校に行くためだけじゃない。」

「自分で人生を選べるところまで
行ってみるため。」

-------------------------------

【43】
最終スライド

「高校受験はゴールじゃない。」

「自分の人生を
自分で選べるようになるための5か月。」

最後に巨大に

「さあ、作戦を決めよう。」

================================
■ 情報の正確性に関する絶対条件
================================

・B高校に行けば高収入になるとは断定しない
・A高校から成功できないという表現は禁止
・高校別平均年収など存在しないデータを作らない
・相関と因果を混同しない
・440点をB高校の公式合格点として扱わない
・進学実績は最新の学校公式資料を最優先
・合格者数と進学者数を混同しない
・延べ合格件数なら必ずその旨を表示
・投資利回り5%は仮定
・投資成果を保証しない
・職業年収は可能な限り厚生労働省等の公的資料を使用
・分からない数字は推測で作らない
・出典を各スライド下部に小さく記載
・最後に参考資料一覧を追加してもよい

================================
■ 技術要件
================================

PowerPoint .pptx を生成する。

PptxGenJSを第一候補とする。
必要であればpython-pptxでもよい。

ファイル名:

高校受験_家族作戦会議_完全版.pptx

生成後は必ずPowerPointを
PDFまたはPNGへレンダリングする。

全スライドを目視確認し、

・文字切れ
・文字重なり
・図形のはみ出し
・小さすぎる文字
・グラフのラベル切れ
・不自然な改行
・日本語文字化け
・情報量過多

をチェックする。

問題があれば修正して再レンダリングする。

完成するまで
「生成→レンダリング→目視確認→修正」
を繰り返す。

最終的に
.pptx
を出力する。

いちばん効いたのは「〜しないでください」だった

長いので、効いた部分だけ抜き出します。

親からの説教資料に絶対にしない
受験塾の広告風は禁止
ただし幼児向けのデザインにはしない
A高校(第一志望)を否定する表現は禁止
高校別平均年収など、存在しないデータを作らない
相関と因果を混同しない

「良い資料を作って」と頼むと、AIは平均的に良い資料を作ります。それは大抵、説明会の資料に似ます。避けたいものを名指しした分だけ、出てくるものが自分の意図に寄りました。

クロパン
クロパン

「何をしてほしいか」より「何をされたら嫌か」のほうが、実ははっきり言えるんですよね。

44枚。でも黒背景で読めなかった →「genspark風にして」

43枚分の構成を指定して、出てきたのは44枚の pptx でした。一度で、ここまで出てきます。

そして、読めませんでした。

1回目のデザインは黒背景でした。画面で見るぶんには格好いいのですが、家族で覗き込む資料としては字が沈んで読みにくい。

そこでぼくが打ったのは、この一言です。

少し見にくいので、genspark風にしてください

これで白基調に置き換わりました。 中身は変えずに、見た目だけを差し替えたわけです。

ここで分かったこと:中身と見た目は、別々に直したほうが速い。
両方を一度に直させると、どちらが原因で良くなった(悪くなった)のか分からなくなります。
黒背景を白にしただけで、読みにくさの大半は消えました。

なお、黒背景の版も捨てずに残してあります。あとで見返すと、読みにくさの原因が背景色だったとはっきり分かるからです。

黒背景の1回目と白基調に置き換えた版を並べた比較
左=1回目の黒背景版/右=「genspark風に」で置き換えた白基調版。いずれも筆者が作成した資料で、記事掲載用に数値をダミーに差し替えています

白基調にした最終版から、もう1枚。プロンプトで「画面中央に非常に大きく」と頼んだ点数のページです。点数の横には、まず評価する一言だけを置きました。

実力テストの点数を大きく表示したスライド
筆者作成の資料より(点数は記事用のダミー)

長い依頼文を作るときのコピペ用プロンプト

以下をそのまま Claude Code に貼ってください。

これから資料を作ってもらいます。作り始める前に、私への質問を10個作ってください。
・誰が見る資料か、何を決めるための資料か、が確定していない場合は必ず質問に含めてください
・「入れてはいけない内容」「避けたい雰囲気」を必ず1問は聞いてください
・質問は1行ずつ番号を付け、答えやすいように選択肢か例を添えてください
・私は「おまかせ」と答えたり、答えを飛ばしたりします。それでも構いません
・私が答えたら、その回答だけを使って作成用の指示書にまとめ直してください
・私が答えなかったことは、あなたの想像で補わずに「未確定」と明記したまま進めてください

なぜこう頼むのか:最初から完璧なプロンプトは書けません。AIに質問を作らせて、それに答えるほうが早いからです。

長い依頼を1枚にまとめる考え方は、Claude Code分業術|大きな仕事は「指示書」1枚で新しい会話に渡すにまとめてあります。

このプロンプトでAIにできないこと
あなたの好みを当てること
 (「幼児向けのデザインにはしない」のような好みは、言わないと伝わりません)
出来上がりを事前に見せること(出してみるまで分かりません)
あなたが渡していない資料を読むこと
避けたい雰囲気を勝手に察すること(名指しした分だけ効きます)

この章のまとめ
・プロンプトは長さより「何を書いたか」。避けたいものを名指しする
・1回目は44枚。黒背景で読めず、「genspark風に」の一言で白基調へ
・中身と見た目は、別々に直す


いちばん悩んだこと:押し付けにならない資料にする

プロンプトの書き方より、スライドの見た目より、ずっと悩んだことがあります。押し付けにならない資料にすることです。

強制するなら、会議はしないほうがまし

強制的にやらせても、逆効果です。それなら、この家族会議はしないほうがましだと思っていました。

考えていたのは、モチベーションを短期ではなく、長く続けるにはどうしたらいいか、ということです。

圧力で動いた勉強は、圧力がなくなったら止まる。
だから「勉強しなさい」と言うためのページは作らない。
代わりに、本人が自分で走り続けたくなる理由を置く。

夢がないのは知っていた。だから「仮の目標」を置いた

長く続くモチベーションには、夢があればいちばんです。でも、息子にいま具体的な夢がないのは知っていました。

そこで、日頃の言動から「お金持ちはどうかな」と思いつきました。本物の夢が見つかるまでの、仮の目標です。一応、興味は持ってもらえました。

まず、走り続けるには燃料が要る、というページを置きました。

走り続けるには燃料として夢や目標が要ることを示したスライド
筆者作成の資料より(記事用に数値はダミー)

次に、夢がないのは普通だと、先に言ってしまうページです。

今は具体的な夢や目標がなくてもいいと伝えるスライド
筆者作成の資料より

そのうえで、本人に聞くページ。発表者ノートには「親は口を挟まない」と書いておきました。

お金持ちになりたいかを選んで理由を書き込むスライド
筆者作成の資料より。記入欄は空のまま載せています

お金は贅沢のためではなく、自由と選択権のため

「お金持ち」と言うと、贅沢の話に聞こえます。ぼくが伝えたかったのは、そうではありません。

本当にやりたいことが見つかったときに、お金があれば、会社を辞めることもできる。転職も、リスク少なくできる。お金は、自由と選択権のためにある。そういう話です。

お金の価値は自由と選択権だと示したスライド
筆者作成の資料より

サッカーを捨てるのではなく、使い道を増やす

もう1つ、はっきり伝えたかったことがあります。サッカーで身につけた力は、無駄にならないということです。

努力する、失敗する、修正する、続ける。サッカーでやってきたことは、勉強でもそのまま使えます。

サッカーで身につけた7つの力を並べたスライド
筆者作成の資料より

だから、サッカーを捨てる話にはしませんでした。武器の使い道を増やす話にしました。

サッカーで身につけた力を勉強から人生へつなげるスライド
筆者作成の資料より

最後のページは「でも、これはお父さんの案。」

資料には、本気でやるならここまで使える、という1日のモデルも入れました。ただ、その次のページで、こう書き換えています。

「でも、これはお父さんの案。自分なら、どうする?」

モデルの時間割をそのまま真似しなくていい。自分が続けられる形を、自分で書く。決めるのは本人です。

父の案を示したうえで自分ならどうするかを書き込むスライド
筆者作成の資料より。記入欄は空のまま載せています

この章のまとめ
・強制するなら、会議はしないほうがまし
・夢がないのは知っていたので、「お金持ち」を仮の目標に置いた
・お金は贅沢ではなく自由と選択権。サッカーは捨てずに、使い道を増やす
・最後は「でも、これはお父さんの案」。決めるのは本人


資料で伝えたかったこと(スライドで見る)

ここからは、資料の中身をスライドで見てください。1枚ずつの説明は短くして、なぜそのページを作ったかだけ書きます。

5,000万円は、正解でもゴールでもない

仮の目標を「お金持ち」にしたので、数字を1つ置きました。5,000万円です。正解でもゴールでもなく、説明のための目標だと、スライドの中にも書いています。

「なぜ5,000万円なのか」は、中学生にもわかる単位にしたかったので、途中で「月20万円の暮らしが20年間できる」という言い方に変えました。積立の試算には「年5%は説明用の仮定」と注記しています。

お金と自由の章から4枚を並べたスライド一覧
筆者作成の資料より4枚(同じ出来事でも結末が変わる/5,000万円/なぜ5,000万円/何年かかる)。数値は記事用のダミーを含みます

サッカーの仕事でも、道はこんなに違う

仕事と年収の章は、ぼくが持ち込んだものです。ChatGPTに「サッカーのコーチは低いけど、インストラクターや理学療法士は高いの?」と聞いたのが始まりでした。

平均の数字が公的な統計で出ているのは2つの職種だけで、ほかは「イメージ」と書いています。

同じサッカーの仕事でも道が違うことを8つの職種で示したスライド
筆者作成の資料より。平均の出典は厚生労働省 職業情報提供サイト job tag(スライド下部に記載)、ほかの職種は年収のイメージです

伝えたかったのは、年収の順位ではありません。勉強できると、サッカーとの関わり方まで増える。そして、いまは仕事を決めなくていい、ということです。

仕事と年収の章から4枚を並べたスライド一覧
筆者作成の資料より4枚(年収500万円と1,000万円/サッカー×勉強/高収入の仕事に近づくには/勉強する理由)

通知表と実力テストを並べて、教科の作戦を立てた

通知表は、文字に起こさず写真のままChatGPTに渡しました。すると「実力テストと通知表を並べたページを足すといい」と返ってきて、それが点数と評定を並べた表になりました。

並べてみると、数学の行が浮いて見えました。英語と理科のページは、高校まで弱点を持ち越さないために置いています。

教科の作戦の章から4枚を並べたスライド一覧
筆者作成の資料より4枚(通知表/実力テストと評定/英語は積み上げ/理科の弱点)。点数・評定はすべて記事用のダミーです

努力より、継続より、習慣化

生活の話は「努力よりも、継続よりも、習慣化がいちばん効く」という流れにしたい、とChatGPTに伝えました。気合いは長く続かないからです。

努力より先に習慣を作ることを示したスライド
筆者作成の資料より

「◯◯したら△△する」を決めておくページ、ゲームは禁止ではなく順番を変えるページ、本気で時間を作ったらここまでできるというモデルのページ(強制ではないと注記)、LINEの見方のページです。LINEのページには、ぼく自身の習慣も1行入っています。

習慣と環境の章から4枚を並べたスライド一覧
筆者作成の資料より4枚(きっかけを決める/ゲーム禁止ではない/1日のモデル/LINEの見方)

塾は課金。でも、操作するのは自分

塾の話は、ゲームの課金にたとえました。残り時間が少ないなかで、ブーストをかけるための費用は出す。ただし、本人が希望するなら。

そのうえで、課金しただけでは強くならない、というページを続けました。

塾に入ることと成績が上がることは同じではないと示したスライド
筆者作成の資料より

迷ったら戻ってこられる、9つの原理原則

最後に、格言のページを作りました。はじめは「格言のページを作りたい」とだけ頼み、そのあと「もっと一般的に、偉人の言葉で」「中学生にもわかるように」と頼み直しています。

お金と自由の格言だけは、ぼくが自分で選んで、1つ足してもらいました。なぜ貯めるのかを先に、どう増やすかをその後に並べています。

迷ったときに戻る9つの原理原則を一覧にしたスライド
筆者作成の資料より

この章のまとめ
・5,000万円は、正解でもゴールでもない説明のための目標
・仕事と年収、教科の作戦、習慣、塾。どのページも決めつけずに、選べる形で置いた
・最後は、迷ったときに戻ってこられるページで締めた


作りながら工夫したこと

作っている途中で、つまずいたことと、工夫したことを書きます。技術的なことは短くして、どれも日本語で頼めば直るところまでにしました。

話が飛んでいた。だから橋を2枚かけた

途中で読み返したら、「サッカーの力を勉強にも使う」ページから、いきなり「夢」の話へ飛んでいました。これは、ぼくが気づいて足したところです。

間に置いたのは2枚です。1枚目が「いまの点数は、止まると下がる」。2枚目が、さきほど載せた「走り続けるには、燃料が要る」です。止まると下がるから走り続ける、走り続けるには燃料が要る、その燃料が夢や目標——と、話がつながりました。

自分が止まるとまわりに抜かれて順位が下がることを示したグラフのスライド
筆者作成の資料より(点数は記事用のダミー)

遠い話から手元の話へ。AIに3案出させて1枚足した

もう1か所、つながりが途切れていた場所がありました。大学やその先といった遠い話から、通知表や教科の作戦という手元の話へ、急に切り替わるところです。

どう埋めればいいか、自分でも分かりませんでした。そういうときは、案を出させて、自分で選びました。

スライド〇枚目と〇枚目の間で、話の流れが飛んでいる気がします。
埋め方を3案出してください。それぞれ長所と短所も書いてください。
追加は1枚以内、各案は見出しと要点の箇条書きだけで構いません。
まだファイルは書き換えないでください。私が案を選んでから作業してください。

なぜこう頼むのか:案が1つだけだと、それが正解に見えてしまいます。3つ並べると比べられるので、選ぶのが自分になります。

3案のうち、1枚足す案を選びました。それが、このページです。3案を出させて選んだのは、この資料で2回ありました。

勝負は高校3年間で準備はいまの6か月だと示したスライド
筆者作成の資料より

有名な格言でも、出典が確かめられないものは、そう書いた

複利の格言は、ぼくが自分で文言を選びました。「複利は世界で8番目の不思議である」という、よく知られた言葉です。

ただ、この言葉は、本人が言ったと確かめられる一次資料が確認できていません。そこで、スライドの中と巻末の両方に、そう書きました。 ほかの格言にも、出典の注記を付けています。

複利・失敗・行動の格言を3枚のカードで並べ出典の注記を入れたスライド
筆者作成の資料より。下部に一次資料が未確認である旨の注記があります

数字はAIに作らせない

進学実績の数字だけは、AIに作らせたくありませんでした。学校が公開している公式PDFを自分で用意して、それだけを読ませ、表の列がずれた行は使わず、年度の違う2本で突き合わせています(学校が特定できるので、進学実績のページは記事に載せていません)。

ふつうに調べさせたときにどれくらい合っているかは、Claude Codeに調べさせて表にまとめる|そのまま使えたのは6つ中2つで確かめました。これも、日本語で頼めばここまでやってくれます。

PDFを同じフォルダに置いてから、以下をそのまま貼ってください。

このフォルダ(パスをここに書く)にあるPDFだけを読んで、数字を表にまとめてください。守ってほしいことがあります。
・ネットで検索しないでください。このPDFに書かれていない数字は「記載なし」と書いてください
・PDFが開けない場合は、テキスト抽出や、1ページずつ画像に変換して見る方法に切り替えてください。
 文字が化けて読めない場合は、勝手に推測せず「文字化けして読めない」と報告してください
・表を読むときは、1行に数字が全部そろっている行だけを採用してください。
 欠けている行は、列がずれている可能性があるので「要確認」と印を付けてください
・数字ごとに、PDFの何ページから取ったかを併記してください
・合計欄がある場合は、あなたが足し算し直して、一致するかどうかも書いてください

なぜこう頼むのか「検索しないで」と書かないと検索します。 出典ページを併記させておくと、あとから自分の目で確かめるのが一瞬で済みます。

このプロンプトでAIにできないこと
PDFの数字が正しいかどうかの判断(公式が出した数字を、そのまま読むだけです)
あなたが渡していない年度の資料を補うこと
その数字を比べてよいかの判断(母数や定義が違うことは、人が書く必要があります)
あなたに渡すPDFを選ぶこと(どれを公式とみなすかは、人が決めます)

⚠️ このプロンプトでAIに渡すのはフォルダの中身そのものです。関係のないファイルが同じフォルダに入っていないか、貼る前に一度見てください。

見た目の崩れは、AI自身に見させた

できたスライドは、Keynoteで全ページを画像にして、4枚ずつまとめて Claude Code 自身に見せました。 文字のはみ出し、重なり、小さすぎる文字などを、各版2周で40件以上直しています。これも、日本語で頼んだだけです。

スライド4枚を1枚に連結した確認用の見本
AIに見せたのと同じ形(4枚ずつ連結)の見本。筆者作成の資料より、数値は記事用のダミーです

「できました」という報告ではなく、できた実物を見る。考え方はAIの「できました」を鵜呑みにしない検証術|実物を確かめる3原則に書いたとおりです。

⚠️ 発表者ノートを付けたpptxは、そのままではKeynoteが開けません。 記事の最後の「よくある質問」の1問目にある、1行の修正を先に済ませてから、この頼み方を試してください。先に試すと、Keynoteがエラーのダイアログを出したまま操作が止まります。

pptxを作らせたあとに、そのまま貼ってください。

いま作ったpptxを、Keynoteで開いて全ページをPNGに書き出してください。書き出し先は専用の一時フォルダにしてください。
書き出したら、画像の左上にスライド番号を焼き込んだうえで、4枚ずつ1枚の画像に連結して、あなた自身がその画像を見てください。
次の5点を、スライド番号を付けて報告してください。
・文字が枠からはみ出している ・文字や図が重なっている ・要素がスライドの外に出ている
・文字が小さすぎて読めない ・グラフのラベルが切れている
問題が1件もない場合は「0件」と書いてください。
直したあとは、もう一度書き出して見直してください。見直しは最大2回までとし、残った問題は一覧で報告してください。
作業が終わったらKeynoteの書類は保存せずに閉じてください。

なぜこう頼むのか「確認して」だけでは、中身のテキストを読んで終わります。 「画像にして」「あなた自身が見て」まで書くと、見た目の確認になります。

このプロンプトでAIにできないこと
デザインの良し悪しを決めること
 (壊れているかは分かっても、格好いいかは分かりません)
PowerPointでの見た目を保証すること(Keynoteで開いた結果です)
あなたが読みやすいと感じるかを判断すること
 (文字の大きさの好みは人それぞれです)
1周で完璧にすること(直すと別の場所がずれます。2周は見てください)

⚠️ この頼み方をすると、AIはKeynoteを起動して操作します。 開いているKeynoteの書類があるなら、先に保存して閉じておいてください。

44枚から76枚まで増えて、69枚に戻った

1回で完成しませんでした。 というより、1回で完成させようとしなかった、というほうが正確です。枚数の推移がそのまま記録に残っているので、出しておきます。

段階 枚数 何をしたか
1回目 44枚 最初のプロンプトで一発生成。構成は指定どおり
2回目 49枚 途中で方針が変わり、構成を全面的に作り直した
3回目 49枚 中身は据え置き、デザインだけ白基調に差し替え
4回目 46枚 上位校を前面に出す枚をまとめて削除。通知表・習慣化・記入シートを追加
5〜9回目 48 → 50 → 51 → 57 → 58枚 細かい直しと、章の追加
10回目 64枚 まとめ・1日の使い方・進学実績を追加
11〜13回目 74 → 75 → 76枚 格言の章を足し、話の断絶を埋める枚を追加
14回目 69枚 格言の章を11枚→4枚に圧縮。7枚削った

最後に削った格言の章は、この4枚です。文言も出典の注記も、1つも削っていません。並べ方を変えただけです。

偉人の格言を3つずつカードで並べたスライド3枚と、9つの原理原則の一覧スライドを並べた画像
11枚あった格言の章を、3つずつカードで並べた3枚+一覧1枚の計4枚にまとめ直した。筆者が作成した資料より

増え続けたわけではありません。 途中で46枚まで減っていますし、最後は76枚から69枚に削っています。

いちばん効いたのは、枚数ではなく頼み方が変わっていったことでした。

前半=ゼロから作らせる:「こういう資料を作ってください」+全構成
中盤=まるごと作り直させる:修正のたびに全部を作り直していた
 (いま思うと無駄でした
後半=差分だけ直させる:「既存のpptxの〇章に、この1項目だけ追加してください

毎回まるごと作り直させると、直していない場所まで作り直されて、せっかく直した箇所がまた壊れます。差分にしてから、この往復が消えました。

最後は削りました。格言の章は、1つの格言に1枚ずつ使って11枚になっていたので、3つずつカードで並べた3枚+一覧1枚の計4枚にまとめ直しました。文言も出典の注記も1つも削っていません。並べ方を変えただけです。

「1回で完成させない」というのは、増やし続けることではなく、増やして、減らせるようになることなんだと思います。

同じ作業を2つの言い方で頼んで比べた記録は、Claude Code 指示のコツ3つ|同じ作業を2つの言い方で頼んでみたにまとめてあります。決めていないことは、全部AIが決めます。

決めていないところをAIに埋めさせず、「ここは決める必要があります」と書き出させて比べた記録は、Claude Code 企画書のたたき台|渡すものを3つ変えたら形になったにあります。

この章のまとめ
・話が飛んでいたら橋を架ける。埋め方に迷ったら、3案出させて自分で選ぶ
・出典が確かめられない言葉は、確かめられないと書く
・数字は公式の資料から、見た目はAI自身に見せて直す。どちらもAIに頼める
・最後は差分で直して、増やしたものを削る


会議当日、息子はあくびをした

69枚ができあがって、いよいよ会議の当日です。

リビングで、Zoom。かしこまらずに

会議はZoomでつなぎました。家族はリビングに集まり、ぼくは画面共有で資料を映しました。

かしこまった場には、したくなかったんです。自由で、ラフな雰囲気にしたかった。

始めたのは、サッカーのあと、夕食を食べ終わってからです。息子は少し疲れていました。時間は約2時間でした。

序盤で、あくび。だから説明を削った

序盤で、息子があくびをしました。

資料はたくさん作ったので、本当は1枚ずつじっくり説明したかったんです。でも、そこで切り替えました。

興味がなさそうな話は割愛して、興味がある話を、そのぶん長くする。
自分主体ではなく、子ども主体で。

69枚を全部見せることより、息子が聞きたい話を長くすることのほうが大事でした。

弟には「受験はチームプレイ」とだけ頼んだ

会議には、3つ下の弟も入っていました。基本的には、興味がなさそうでした。

序盤に、弟にはこうお願いしました。

「受験はチームプレイ。受験はナイーブだから、家での雰囲気づくりは協力してほしい」
「今回の会議で、弟に特にしてほしいことは何もないから安心して。でも3年後に同じ境遇になるから、理解はしておいて」

2枚目のスライドの下にも、弟に向けた1行を入れてあります。これは、資料を見直したときにAIが出してきた改善案の1つでした。

この会議ですることを3つ示し最後に弟への一言を添えたスライド
筆者作成の資料より。下部に弟への一言があります

妻は、言いたいこともあったと思います。でも今回は子どもとパパが主体なので、見守ってくれました。

身を乗り出したのは、お年玉のオルカン

いちばん興味津々だったのは、お金の話でした。

兄も弟も、お年玉をオルカン(全世界株)で積み立てていて、最近は調子がいい。その説明のときは、興味津々でした。

学校では、お金のことを教えてくれません。ここは、父親としてこれからも教えていくべきところだと実感しました。

スライドの数字は記事用のダミーですが、同じページに「この2年はたまたま良い時期だった」という注意書きも入れています。

本人の積み立てがもう始まっていることを示したスライド
筆者作成の資料より。金額・割合は記事用のダミーです

歯磨きのあとに聞いた「パパが一番伝えたかったことは?」

会議が終わって、歯磨きも終わって、ひと段落したタイミングで、聞いてみました。

「パパがいちばん伝えたかったことは、何だと思った?」

息子の答えは、こうでした。

「自由になること」

資料の中で、発表者ノートに「今日いちばん伝えたい一言」と書いていたのは、このページでした。

夢や目標ができた時にお金がないから諦めないと伝えるスライド
筆者作成の資料より
クロパン
クロパン

一生懸命作ったのが伝わったのか、ちょっと気を使った言い方ではありましたけどね(笑)

夜の2時間は、量ではなく「理由」が変わった

息子は、会議の前から毎日、夜に2時間の勉強をしていました。量は変わっていません。

変わったのは、やる理由です。会議のあと、「やらないと気持ち悪い」と言うようになりました。

資料では、習慣化の話にこのページを使っていました。習慣化の話が伝わったのかな、と思っています。

風呂に入る時に毎日決意しないように勉強もその状態に持っていくと伝えるスライド
筆者作成の資料より

強制はしない。決めるのは本人

最初に書いたとおり、これは勉強させるための資料ではありませんでした。選択肢を渡すための資料でした。決めるのは、本人です。

最後のページは、情報を減らして、この一行だけにしました。

未来は今日の習慣から変わると伝える最後のスライド
筆者作成の資料より

この記事のまとめ
・言葉で言うと説教になるので、Claude Code と69枚の資料を作った
・いちばん悩んだのは押し付けにならないこと。当日も、序盤のあくびで子ども主体に切り替えた
・いちばん伝えたかったことへの答えは「自由になること
・夜の勉強は、量ではなくやる理由が変わった


よくある質問

Q
python-pptxで作ったファイルが、Keynoteで「フォーマットが無効」と出て開けません
A

発表者ノートを付けていませんか。 それが原因です。

pptxの中の ppt/presentation.xml に、ノートの親(ノートマスター)を登録する1行が書かれていないのが原因です。python-pptx は部品と関連付けは書くのに、この1行だけ書き忘れます。PowerPointは黙って補いますが、Keynoteは拒否します。

直し方は、</p:sldMasterIdLst> の直後に次を差し込むだけです。

<p:notesMasterIdLst><p:notesMasterId r:id="rId3"/></p:notesMasterIdLst>

rId3 は、ppt/_rels/presentation.xml.rels の中で Type が notesMaster になっている関連付けのIdをそのまま使います(ファイルによって変わります)。自分で書き換える必要はありません。Claude Code に日本語で頼めば直ります。

作ったpptxがKeynoteで「フォーマットが無効」と出て開けません。
ppt/presentation.xml に <p:notesMasterIdLst> があるか確認してください。
無ければ、ppt/_rels/presentation.xml.rels の notesMaster のrIdを調べて、
</p:sldMasterIdLst> の直後に <p:notesMasterIdLst><p:notesMasterId r:id="そのrId"/></p:notesMasterIdLst> を差し込んでください。
差し込んだら、実際にKeynoteで開いて開けるようになったかを確認し、確認できたら
以降のビルドでも毎回この処理が入るように、保存処理に組み込んでください。

環境:Python 3.9.6/python-pptx 1.0.2/macOS 26.5.1/Keynote 14.4 で確認しました。

同じ症状の報告は、python-pptx の開発ページにも上がっていて、解決策は書かれていないまま残っています(出典:python-pptx Issue #1051)。原因の説明は、別の場所にあります(出典:anthropics/skills Issue #1167)。

Q
PowerPointを持っていなくても、スライドは作れますか
A

作れます。 ぼくのMacにはPowerPointもLibreOfficeもNode.jsも入っていません。pptxは Claude Code が Python のライブラリで直接作るので、表示ソフトは要りません。 確認は、Macに最初から入っている Keynote で開けます(Q1の1行だけ先に潰しておいてください)。

Q
スライドを全部PNGに書き出すのは、どうやって頼めばいいですか
A

Keynoteでこのpptxを開いて、全ページをPNGに書き出して」と日本語で頼めば、Claude Code がスクリプトを書いて実行してくれます。中身はこういう処理です(自分で打つ必要はありません)。

tell application "Keynote"
  set d to open POSIX file "/書き出したいpptxのパス"
  delay 4
  export d to POSIX file "/出力先フォルダ" as slide images with properties {image format:PNG, skipped slides:false}
  close d saving no
end tell

close d saving no が大事です。 保存せずに閉じるので、元のファイルが書き換わりません。

Q
69枚も作るのに、どれくらい時間がかかりますか
A

4日間で、合計約5時間でした。1日ぶっ通しではなく、思いついたときに直す形です。

ただし最初は修正のたびに全部を作り直させていて、直したはずの箇所がまた壊れる往復をしていました。「既存のファイルの〇章に、この1項目だけ追加して」に変えてから一気に軽くなりました。

Q
子どもの成績や学校名が入った資料を、記事やSNSに出しても大丈夫ですか
A

そのままではやめたほうがいいです。 この記事のスライドも、学校名・点数・評定・件数をダミーに差し替えた別バージョンを作ってから撮っています。

ポイントは、黒く塗りつぶすのではなく、別の数字に置き換えることです。構造(どの教科がいちばん低いか、など)だけ残して数字を入れ替えると、資料としての意味は伝わったまま、本人は特定されません。手順はスクショの個人情報を隠す5ステップ|ブログ用10枚をAIにまとめて任せるにまとめてあります。

タイトルとURLをコピーしました